ネットワークビジネスとは、アメリカ発祥のビジネスというのはご存じの方も多いかもしれません。
実はネットワークビジネスというのは和製英語で、アメリカではネットワークマーケティングというのが一般的です。
ネットワークマーケティングという名前からわかるように、もともとはアメリカのある企業が 考え出した、マーケティング手法が始まりといわれています。
ネットワークビジネスの基本的な手法は、口コミで製品の良さを 伝え、自分の紹介でBさんにその製品を購入してもらうことにより、 報酬が発生、Bさんもまた自分が製品を紹介しCさんに購入して もらうことで、報酬が発生する。
これは一般的な小売販売と同じシステムですが、ネットワークビジネスの場合は、Cさんが購入することで、Bさんばかりでは なく、Bさんを紹介した自分にも報酬が入ってくるという点が、 通常の販売システムと大きく違うところです。
これが基本ですが、報酬の仕組みやビジネスの展開の仕方などは時代とともにバリエーションが増え、今では企業ごとにそれぞれ特色のあるプランが提供されているようです。
訪問販売の進化形がネットワークビジネス
ネットワークビジネスの起源は、アメリカの「カリフォルニアビタミン社」というビタミン剤を販売していた会社が取り入れたマーケティング手法が起源だといわれています。
アメリカではその当時、弱小企業や、新規開業した企業の多くが「訪問販売」で市場開拓をしていたそうです。
こちらから訪問し、製品を知ってもらうというのが手っ取り早い 手法なので、当時のアメリカで主流だったのかもしれませんね。
訪問販売は、こちらからどんどん訪問して決まったエリアに広めていけるという利点もありますが、多くの販売員を抱えれば、その分人件費がかさみ、大量に販売できないと儲けが出ないというデメリットもあります。
そこでカリフォルニアビタミン社の創設者は「口コミ」を利用してマーケティングをしたらどうだろう?と考えたのです。
今では多くの企業が口コミの力の大きさを知り、日本でも上場企業が何らかの形で取り入れていると思います。
知らない相手から「この製品良いから買ってください」と勧められるより、友人、知人から「この製品使ってみたらすごいんだよ、ぜひ使ってみるといいよ」と勧められるほうが、ずっと信用力も高く、購買意欲がわきますよね。
その口コミの手法を取り入れ、システム化して、一つのマーケティング手法にまでしたのが、カリフォルニアビタミン社の創設者です。
1934年、カリフォルニアビタミン社はネットワークビジネスのシステムを使い、二人のディストリビューターにより、一挙に規模を拡大することになります。
その後カリフォルニアビタミン社は社名を変え、今では日本にも支社を持つ、世界的にも有名な企業にまで変貌していったのです。
ネットワークビジネス=悪徳マルチという理由!
ネットワークビジネスと聞いただけで悪徳マルチとか、詐欺だというイメージを持つ方が少なくないようですが、それにはネットワークビジネスの過去の歴史が大きく関係をしてきます。
カリフォルニアビタミン社のように大きく伸びる企業が出るとそれをまねて何とか稼ごうとする企業が出てきます。
もちろん何の問題も起こさず、その手法だけをまねて会社を伸ばそうとする企業も多くある一方で「儲け話」というと必ず出てくるのが、「悪徳業者」です。
日本でも消火器の訪販で一時問題になったこともありますし、ねずみ講事件などもあると思います、ご存じない方のために、消火器の訪販の例でお話をすると、昔、消火器の点検をしつつ、使用期限が近付いていたりすると消火器の買い替えを勧めてくるという訪販で、結構利益が出ていた時期があったようです。
そこに目を付けた悪徳業者が「消防署のほうから来ました、消火器の点検です」と尋ねてきては、法外な値段で消火器を売りつけるという被害が頻繁に起きたのです。
「消防署の方から来た」と言われ、「消防署が消火器の点検に来たんだ」と思い込んでしまう人が、「消火器買い換えたほうがいいですね」と言われると「消防署の人がそういうなら」と高額な消火器を購入してしまうという手口です。
巧妙なのは決して「消防署のものですが」とは言わず「消防署の方から来た」というわけです、「消防署の方ですか?」と聞くと「消防署の方から来ました」と繰り返していたそうです。
さて例が長くなりましたが、カリフォルニアビタミン社の手法を真似た悪徳業者第一号が「ホリディマジック」という会社でした。
この会社は、ネットワークビジネスの手法を真似てはいましたが、その実態は、ディストリビューターの登録料で儲けようという会社で、製品はサンプル程度しかなく、製品の販売をするという実態のほとんどない会社だったのです。
登録したディストリビューターは、自分が利益を出し続けるためには、新たなディストリビューターを紹介し、登録料を支払ってもらうしかなかったのです。
世界初のねずみ講事件がおそらくこの会社でしょう。
その後も、数年に一度くらいは、懲りずに悪徳業者がネットワークビジネスの手法を真似た金儲けをたくらみ、被害者を出してきました。
ネットワークビジネスのイメージが良くないのは、こうした事件の被害が大きく、社会的に悪徳マルチ事件として浸透していったのが大きな要因の一つです。
今では、以前に比べネットワークビジネスというビジネスに対する正しい知識を持つ人が増え、悪徳業者も以前ほど簡単にはだましにくくなったようです。
ただその分、悪徳業者は「儲けたい」という心理をあおることから「人情」に訴えるという詐欺に力を入れだし、「おれおれ」詐欺などとどまるところを知らないようですから、いずれにせよ悪徳業者には注意が必要です。
法的意識の低かったディストリビューター
ネットワークビジネスの評判を落としたもう一つの要因は、参加しやすいため「儲けたい」という気持ちで気軽に参加して、法的な意識の低いディストリビューターが多かったことも挙げられます。
今では特定商取引法が整備され、以前ほど法的な意識の低いディストリビューターは激減しているようです、また各企業も法律に抵触するディストリビューターの取り締まりを強化、教育にも力を入れる時代になりました。
しかし以前は結構多くの方が法的なことを無視してビジネスをしていたといえる時代もあったのです。
いけないことと知らずにやっていた人もいたでしょう、しかし明らかに違法だとわかっていても、自分の儲けのために、友人知人を強引に巻き込んだ人も存在します。
たとえば、何のためのセミナーかを告げずに、「一回だけ付き合ってほしい」と知り合いをセミナー会場に連れ出したり、ネットワークビジネスのセミナーだけど、付き合いで顔を出してほしい、すぐに帰ってもいいからと誘い出し、実際は契約するまで帰らせなかったり。
もちろんこうした行為は法律に違反します、しかし昔はそうしたことを平然とやっていたディストリビューターも存在したのです、そのためネットワークビジネスのイメージが良くないと思あわれる方も多いことでしょう。
ネットワークビジネスの未来
ではネットワークビジネスは評判がよくないだけで、未来はないのか?といえばそんなことはありません。
現に今でも法律を守り、正当なビジネスとして、伸びている会社は数多くあります。
ネットワークビジネス会社ランキングなどが毎年発表になりますが、毎年増収という会社も存在します。
そもそも違反をしてしまうようなディストリビューターが誤解をしていたのは、ネットワークビジネスは物売りのビジネスだと思っていたことです。
アメリカではネットワークマーケティングと言うとお話しましたが、そもそもマーケティングとは、押し売りやセールスとは別物です。
お客様に価値を感じてもらう、あるいはお客様に価値を提供する、その対価としてお金を払っていただく。
知り合いだから付き合いで何とかしてもらおうというのはマーケティングでもセールスでもありません。
そもそもその考え自体が間違っているのです
知り合いにより良い製品を知ってほしい、素晴らしいことを体感してほしい、そんな思いで紹介をする、もちろん全員が興味を持ってくれるわけはありません。
口コミをした人の中には、「あなたがそれだけ良いというなら、一度使ってみようかしら」こう思う人が出てくるわけです。
これこそが口コミの原点であり、ネットワークマーケティングの真髄です。
今では多くのネットワークビジネスの企業やグループは、メンバーの教育に力を入れています。
勧誘方法も口コミ以外の手法も取り入れられ始めているようです。
手法がどうあれ、知り合いだからと半ば強引に話を勧めれば、嫌がられたり、関係にひびが入ったりして、悪評が立つのは当然のことです。
魅力を感じてくれる人、興味を持ってくれる人だけに伝える方法を考え、ネットワークを広げていくのが、本来のネットワークマーケティングです。
手軽に参加でき、フランチャイズに比べたら、かける時間も投資も桁外れに少ない、それなのに収入の可能性はとても大きなビジネスであるということは何ら変わりはありません。
しっかりとした教育を受け、価値の提供をしてネットワークを広げることが出来れば、これからもネットワークビジネスで成功者は増え続けていくことでしょう。